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筆者:
2023.03.02
山六のコラム

~自分らしさと正直なデザイン~

今までに全国各地で、家づくりのポイントというテーマでセミナーや勉強会を行ってきました。それらの記録に、ここ近年はジャンルを超えた先人や同志、後輩と様々な活動を行っている中で見て聞いて、気付いた事、教わった事、今感じる事、想う事、を織り交ぜてお話ししたいと思います。

家づくりをお考えの皆さんにとって少しでもご参考になれれば幸いです。

今回は、「デザイン」についてです。

私は家づくりにとっても、日々の暮らしにとっても、仕事、商売、遊び、、、何をするにしても、「デザイン」が1番重要だと思っています。

皆さんは、「デザイン」という言葉を聞いてどんなイメージを持ちますか?

おそらく多くの人は「見た目」と思うのではないでしょうか。

いつからか日本では、デザイン=見た目 や デザイン=絵を描く事 というのが一般的になりました。

広告や様々なグラフィック、ファッションなどのイメージが強いからでしょうか。

「デザイン」の語源はラテン語の「designare(デジナーレ)」で、

その意味は、

「ある問題を解決するために思考・概念の組み立てを行い、それを様々な媒体に応じて表現すること」

それが世界共通のデザインの意味です。

なので、海外諸国ではデザイン=設計 、 デザイン=問題解決 という意味で使われています。

もっと分かりやすく言えば、何かの概念や思想にカタチを与える事、目に見えない何かを可視化する事 です。

数年前に「人は見た目が9割」という本が100万部を超えるミリオンセラーになりましたが、

人間にとって「視覚」から入ってくる情報やコミュニケーションがそれだけの割合を占めているという事らしいです。

デザインと聞いて、グラフィックや見た目を連想する人が大半なのもそういう理由なんだと思います。

それこそ、9割の人がデザイン=見た目と答えるかも知れません。

それだけ「視覚」に与える影響は大きいという事ですね。

私は、建築・空間というジャンルのデザインをしていますから、視覚だけでなく触覚、聴覚、嗅覚など他の5感も意識してデザインしています。

味覚も、、と思うのですが料理ではないのでこれがなかなか難しい、、、以前、食品衛生試験適合品の塗装でつくったテーブルをつくって舐めれる家具です!ぜひ舐めて暮らして下さい!と言った事がありますが、舐めてくれませんでした。笑

だって別に美味しくないですもんね。。。

どうしても「五感の家」って言いたくて。強引でした。笑

話は「視覚」に戻って、私がその時に考えたのは、視覚がそれだけ私たちに及ぼす影響が強いのであれば、視覚を丁寧にデザインする事で、またはないがしろにしてしまう事で、人を何よりも気分良くできるし、何よりも不快にさせてしまうのではないかと思いました。

ヴィジュアルマーチャンダイジングという、店舗のデザインを研究している方の研究では、

①五感の中で最も言葉で伝えやすいのは、

視覚(75.7%)、味覚(9.9%)、触覚(6.7%)、聴覚(6.0%)、臭覚(1.9%)

②五感の中で最も長く記憶に残るものは、

視覚(71.9%)、聴覚(13.8%)、味覚(7.5%)、触覚(3.8%)、臭覚(3.1%)

③五感の中で最も思いでをよみがえらせるものは、

視覚(74.3%)、聴覚(11.8%)、触覚(4.8%)、味覚(4.6%)、臭覚(4.6%) 

④五感の中で最も感動を覚えるのは、

視覚(72.6%)、聴覚(17.6%)、触覚(6.4%)、味覚(3.0%)、臭覚(0.5%)

と、どの調査結果でも視覚の影響力が圧倒的でした。

この事はそのまま「脳」へ与える影響、割合という事になります。

一言で言えば、視覚的に心地よければ、7割8割方OKという事です。

よくよく考えれば、芸術や美術もまずは視覚に訴えることがほとんどですものね。そこに+αとして、他の4感にも働きかける工夫もありますが。

かくいう私も以前までは「デザイン」という言葉をとても軽んじていました。

失礼な話ですが、デザイナーという職業に興味も敬意もありませんでした。

それよりも、「建築家」や「クリエイター」など、どこか思想や哲学を感じる言い方に憧れていました。

建築・空間、そしてそれ以外の人生や暮らしに関わる全ては、「気分よく」「楽しく」なくては意味がないと思っています。

修業やトレーニングならまだしも、家や暮らしが、ましてや一生をかけて創り上げる環境が、「不快」だったり「ストレス」だったり、さらには「脳への悪影響」

を与えるものであっては、建てない方がはるかにマシです。いや、建てないで下さい。

これらの事を今まで何度も自問自答してきましたが、結局いつも「結論」は一緒です。

今まで何度考えても、何度考えても、行きつく先は、、、、

「好き」

である事。

その家が。その暮らしが。その環境が。

これ以外にないと思います。これが全てだと思います。

理屈や理論や言葉は、見る方向や捉え方によって180度変わります。

工学や科学や医学など、それが重要なジャンルもあると思いますが、

建築・空間においては、どうか「感性」を1番の優先事項にして欲しいです。

家は人生のベースですから。私たちが生きていき、子供たちが育っていく環境ですから。

「好き」で「心地良ければ」他は何も要らないと思います。

ぶっちゃけ、私個人的には「資産価値」とか「性能評価証明書」とかどうでもいいです。

一般の皆さんにとって、家づくりは商売ではないですもん。

どうか「好き」な家を、自分に正直な「デザイン」で実現して下さい。

私たちも、そのための協力は惜しみませんので☆