建材は、このころは、まだ開発されたばかりでしたので、種類も少なく、むしろ無垢材より高価でした。ですから、坪 30 万円もだせば、天然素材を惜しげも無く使った、高級和風住宅がつくれました。
当時、商売はかなり忙しく、又、将来財産になると信じて、山林の手入れなどもあり、両親ともに休みもなく働いていたので、家族で旅行や、父親と遊んだりした思い出などはほとんどありません。それも当時は仕方のないことだったと思います。
小学校のときに家を建替えました。家が完成するまで、家族6人で隣接する20坪の作業小屋で仮住まいをしました。10畳の部屋があり、あとは2部屋。リビング代わりの10畳に自然と6人一緒にいるようになります。狭い空間なのに、いつもほっとする仮住まい生活でした。
だから今でも、豪華さや大きさや間取りが大切ではなく、家族との大事な時間を楽しく快適に暮らせる「居心地の良い空間」にこだわっています。
最後に、わたしからのメッセージです。
お客さんが「木の香りの温かい家を、理想と予算を大切に、叶えてくれました!」と、“笑顔”になることが、わたしの喜びです。そのために、「自分達で迷いなく決断できました」と言われるように心がけていきます。